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2009年11月12日

 第1425回例会

卓話「食の美学」 ザ・プリンス箱根総料理長 中島 大様

 ほとんどの場合、食事の前に乾杯の儀式を行いますが、公式の場ではグラスを合わせず音も立てないのがマナーです。グレードの高いレストランなので使用されるグラスはとても薄いので、割れてしまう危険性があるためともいわれますが、正式には、ワイングラスやシャンパングラスを持って胸の高さまで上げて乾杯をし、相手の目を見てアイコンタクトで微笑を交わすというのが正しいマナーです。この「乾杯」が行われるようになった理由として①中世ヨーロッパでは酒席での毒殺が横行していたため、杯を上げてお互いに酒を飲みほすことで毒物が入っていないことを証明したことから。②互いに強い衝撃をグラスに与え、グラスに入った酒を飛ばし合って毒が入っていないことを証明したことから。③古代ギリシャでは酒の中に宿っている悪魔を追い払う手法として、悪魔はガラスがぶつかる音が苦手とされていることに基づきグラスを合わせて音を立てたことから。という三つの説があります。また、現代の乾杯の作法は日本で考えられたものではなく海外から持ち込まれたものです。
 次にコース料理のテーブルマナーについて説明させて頂きます。テーブルマナーにはフランス式とイギリス式があり、その違いの一つとしてナイフとフォークの使い方があげられます。イギリス式ではフォークの背に料理を乗せて口に運ぶのが正式ですが、フランス式の場合はフォークを右手に持ちかえて食事をするのが正しいマナーです。フランス料理でフォークの背に乗せて食べることはNGなのです。また、スープを手前から奥の方へ向けてすくって飲むのはイギリス式で、フランス式の場合は反対で、奥から手前へ寄せて飲みます。
 食事を終えて、ナイフとフォークをそろえて皿の上に縦にまっすぐ置くのがイギリス式。横にしてフォークの穂とナイフの歯を自分に向けて皿の上に置くのがフランス式です。日本で晩餐会などが催された場合はイギリス式が公式マナーとなりますが、これは歴史的に見てフランスよりもイギリスと国交を重ねる機会が多かっただけという理由です。といっても、フランス料理を召し上がる際にイギリス式マナーを使うと場違いになってしまいますのでご注意ください。
 ところで、バイキングとブッフェの違いをご存知でしょうか。一般的には食べ放題であるかないかの違いだろうと思われているようですが、基本的には同じです。バイキングという名称は帝国ホテルが付けたものなので、本来ならばそのホテルのものに限定されるというのが正しい見解でしょう。北欧の大男たちが豪快に食事をするイメージと、昭和40~50年代にかけて帝国ホテルの新しいサービスを結びつけて名付けたそうです。当時はとても画期的だったため大人気となり、それが現在まで続いている訳です。フランス語でブッフェ、英語でバフェと呼び、辞書には立食とあります。私たちが俗に言うバイキング料理のことで、セルフサービスで食べ放題なのは日本だけで、海外ではバイキングといっても通用しません。
 毎日の食事をおいしく頂くには、先ず健康が第一で、体に優しい食事も自分自身でコントロールする必要があります。身体の老化現象は食事療法によって自然に防げることができます。昔からこの時期になると「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど柿の栄養価は高く、ほかの果物には少いビタミンAやC、ミネラルや糖質も多く含まれていて血圧を下げる効果も高いとされています。乳児は母乳を飲んで育つため、体内に80%の乳酸菌が貯えられていると言われますが、年齢を重ねるにつれて徐々に減少し50歳代を過ぎると20%以下になるそうです。乳酸菌には腸管内をきれいにする働きがあるので、柿にヨーグルトをかけて食べるのは最高の食事法の一つでしょう。柿を切って少量の水を加えてミキサーにかけ、オリーブオイルと酢を足して作る“柿ドレッシング”は私のおすすめの一品ですので、是非お試しください。
 料理とは味もさることながら、いくら良い食材を使用しても色合いや盛り付け次第で差が出てしまいます。和食は目で楽しみ、フランス料理は香りで楽しむと言われますが。これからも色や香りのコンセプトにこだわり「食の美学」を追求して、皆様においしく召し上がって頂ける料理を作って行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします

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会長あいさつ 関口富夫会長
 秋の夜長、灯火親しむ候――まさに読書の秋です。一口に本と申しましても小説などの“読む本”や写真や絵画を集めた“見る本”など多くの種類があり、サイズも様々で表装に凝った本もあります。また、豆本と呼ばれる珍しい本を収集するマニアも少なくありません。
 私は学生時代から神田神保町の書店街を歩くのが好きで、購入したものの中に「小説の神様」といわれた志賀直哉の『暗夜行路』があります。表紙には小林古径の絵、裏表紙には梅原龍三郎の絵が用いられていて、中を見るとこのほかに武者小路実篤、安井曽太郎ら錚錚たるメンバーが描いた挿絵が使われています。とにかく今になってみると豪華本の一つといえましょう。大正年間は「短くとも粋な時代」で、表装に漆が用いられたものも現れました。そして、現代では薄くなったといわれる義理人情の精神が生きていた時代でもあったのです。
 それは、とりもなおさず私たちが失いつつあるものではないでしょうか。

幹事報告 堀金和代幹事
1.12月7日(月)に「クラブ奉仕プロジェクトセミナー」が開催されますので関係者はご出席ください。
2.「米山学友会国際交流会」が12月5日(土)に行われますので、当該関係者はご出席ください。
3.小山ガバナー補佐より、地区からの要請として来年6月に行われる「モントリオール国際大会への参加者募集」の連絡がありました。費用はエコノミー利用で315,000円、ファーストクラスの場合は715,000円です。なお、申し込み締切りは11月30日とさせて頂きます。

Posted by Yoshida at 2009年11月12日 13:18
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